今回は深層学習(ディープラーニング)についてお話ししていきます。
シミュレーションの結果利回り○○%達成!とか、凄い凄いと話題になる深層学習。
果たして本当にそんなに上手い話はあるのか考えてみました。
深層学習とは?
深層学習とは、問題と答えがセットになったデータを大量に読み込ませ、その傾向をAIによって見つける手法です。
ですので、問題を解く方法が分からなくても答えが分かっていれば学習させることが出来ます。これが画期的と言われる理由です。
手書きの文字を認識させる場合、手書き画像と何が書いてあるかのデータを用意するだけで誰でも学習させることができてしまいます。学習させるうえでどのように文字を認識させるかが考える必要がありません。
ただし、実際に問題を解いて答えを出しているわけではありませんので注意が必要です。
例えば、文字を大量に学習させても書き手が変わったら全く読めなくなるということがあるそうです。ただし、データの量が膨大であれば、似た文字もあるでしょうからその精度は高くなります。
このように深層学習ではどれだけデータ量があるかが精度の決め手になってきます。
深層学習の意外な盲点
先日、ソニーのニューラルネットワークコンソールという深層学習用ソフトの開発者の講演を聞いてきたのですが、その中で面白い例をあげていました。
大量の写真の中から物を判別する学習をしたそうなのですが、例えばライオンが移っている写真を学習させたとき、かなりの精度でライオンを判別できるようになったそうです。
その時に何に注目して判断しているか調べたそうなのですが、その場合はライオンのたてがみや色からライオンを判断していました。
次に晴れを学習させると写真の青い空を注目して判断したそうです。
これらは、物の認識も間違いではありません。
しかし、短パンを学習させたときにおかしな判断をしていたそうです。
短パンを判断する精度は高かったそうなのですが、短パンは注目していなかったそうです。
何に注目していたかと言うと足が出ているかどうかだったようです。短パンを履いている人は足が出ています。
そのため、足が出ていることを短パンと認識してしまったのです。
この場合ですと、足が出ているだけで短パンと認識してしまうため正確ではありません。このように一見精度が高いように見えても、AIの実際の認識は人の思いとは違う可能性もあるのです。
株価予測には使えるのか?
深層学習は答えが出てきた過程は基本的に分かりません。
そのため、正しいのかどうかの判断が非常に難しい問題があります。
株価予測に利用した場合も、なぜ株価が上がる、下がると言っているのかは全く分かりません。果たして根拠のない予測を信用して良いのでしょうか。
次にネットに出ている深層学習による投資成功例ですが、かなりズルい記事が多くあります。
良くあるのが、学習結果をもとに過去数年のシミュレーションをしてみたというものですが、はっきり言って成果が出るのは当然です。
「学習結果をもとに過去5年のシミュレーションをしました!」と言いますが、よく読むと2013年から2018年の5年間のデータで学習して、2013年から2018年の5年間のデータでシミュレーションしています。
学習したデータそのままでシミュレーションして何の意味があるのでしょう?
2013年から2017年分のデータを学習して2018年のデータでシミュレーションしないと意味がないではありませんか…。
もちろん中にはちゃんとやっているのもあるのでしょうけど…。
さらに言えば、2018年も2019年も株価は上昇傾向にあった年です。
そのような景気の良い年でシミュレーションされても、そりゃ良くなるだろと言いたくなります。
是非、学習内容を変えずに2008年から2009年のデータでシミュレーションをしてもらいたいものです。(当然2008年データを使っての学習はなしで)
それでも利回りが出たのであれば本物と言って良いのではないでしょうか。
※2008年はリーマンショックがあった年です。
まとめ
ここまで、深層学習の悪いところを話してきましたが、私は正直AIによる株価予測には期待しています。
色々なデータを上手に使えば、本当の意味で精度の良いものは出来るのではないでしょうか。
どのようなデータを使うかは人が選択しなければいけません。株価も過去のデータからどう判断するのかは人によって異なると思います。
深層学習にとって用意したデータですべて決まると言っても過言ではないので、用意したデータによっては、もしかしたらと思ってしまうわけです。
いろいろ気にはなるので私も深層学習による株価予測はどんなものなのか試してみました↓
ではまた!
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